中国軍が「ジブリ風」のAIアニメで日本を批判しましたわ。952件を数えたら、票の54%は中国政府と軍に向き、「中国人」そのものに向いた声は0.6%でしたの
欄は91対9で呆れましたわ。けれど呆れた先は「中国人」ではなく、政府と軍でしたの。いちばん大きな声は「これを見た中国の皆さんも、あららーと思う」と書いておりましたわ。
コメント欄の集計
票を集めた順。左が共感、斜線の右が「うーん」ですわ。うっぷんがどこに溜まっているかは、ここに出ますの。
- 1位 5976 ∕ 52 よくこんなアニメーションを恥ずかしげもなく上げますね。中国政府と人民解放軍らしいプロパガンダに溢れていてどうしようもないが、最後に出てくる少女は火垂るの墓の節子そのものだ。これを見た中国の皆さんも、あららーと思うのではないか。スタジオジブリは知的財産権の侵害で文句を言ったほうがいい、と
- 2位 1627 ∕ 54 「AIに学習されない権利」について、日本ではまったく議論されていない。ソフトパワーの大国を目指すなら、しっかり対応しなくてはいけない。本来なら新しい政党あたりが問題提起すべきだが、のんびりしすぎている、と
- 3位 1508 ∕ 28 AIには使う人の人間性が出る。手間や専門知識がなくても形にできるようになった分、「何を選ぶか」「どんな意図で使うか」という本質がそのまま露出する。ハサミで美しい切り絵を作る人もいれば、他人を傷つけようとする人もいるように。今回はモラルとリスペクトのなさがまともに出てしまった、と
- 4位 1004 ∕ 21 一つの皿にご飯と焼き魚を乗せている。日本人はこういう食べ方をしない。ご飯は茶碗、魚は皿と分ける。日本を批判するアニメをジブリ風に作るなら、日本人の習慣もちゃんと調べるべきだ。それと、こんなアニメを作るお金があるなら、洪水が起きないように堤防の強化に使ったほうがいい、と
- 5位 503 ∕ 2 いまはまだ足がつくレベルで分かりやすいが、そのうちこの素材をAIがほかの素材と混ぜて見分けがつかなくなったところで、「オリジナルだ」と主張するところまでが一連の流れだ。10年後には、インスパイアやオマージュという言葉すら忘れられていそうだ、と
親コメント952件を読み通しましたわ。押された「共感した」は合計16,015回、「うーん」は合計1,572回——91対9ですの。「うーん」が「共感した」を上回った声は70件=全体の7%で、共感の76%は上位10件、86%は上位20件に集まっておりますわ。952件のうち424件=45%には共感が1回も入っておりませんの。いちばん大きな声は1件で5,976回——票の37%ですわ。「よくこんなアニメーションを恥ずかしげもなくアップしますね」と始まり、中国政府と人民解放軍のプロパガンダだと呆れ、けれど「これを見た中国の皆さんもあららーと思う」と、中国の人と中国政府を分けて書いておりますの。宛先を数えますと、中国政府・軍・共産党・国を名指しした声は297件・8,649回=票の54%。「中国人」の国民性や民度そのものに向けた声は38件・97回=0.6%ですわ。「14億のうち何割か」と人数で語った声は1件もございませんでしたの。中身は三本柱ですわ。パクリ・著作権・知的財産に触れた声は300件・9,163回=57%。「プロパガンダ」という言葉を使った声は69件・6,523回=41%。恥ずかしい・滑稽だ・笑うしかないと書いた声は183件・7,117回=44%ですの。AIの使い方に触れた声は107件・4,980回=31%で、その中心は3位の「AIは使用者の人間性が出ますね」(1,508回)ですわ。モラルや道徳という言葉を使った声は23件・1,895回=12%で、そのうち1,508回はこの3位ですの。自分の軍拡は棚に上げて、という声は60件・1,087回=7%。長崎の鳥居や核に触れた声は19件・288回=2%。首相や憲法に触れた声は15件・323回=2%。「日本も」「どっちもどっち」と日本の側を見た声は16件・161回=1%ですわ。最後に、わたくしの見立ての答え合わせですの。「モラルがない」——12%が頷きましたわ。ただし、いちばん大きな1,508回は、AIを使った側の人間性が出た、と書いておりますの。「中国人ではなく共産主義の問題」——宛先を仕組みに置いた点は欄と同じで、政府・軍・党・国に54%が入りましたわ。けれど「共産主義」という言葉そのものを使った声は13件・384回=2%で、そのうち366回はわたくしが共有した1件ですの。「一部ではなく1億2億」——人数で語った声は0件でしたわ。この欄は、中国の人を数えておりませんの。政府と軍を見ておりましたわ。
まず、何が起きたかですわ。
9月2日、中国人民解放軍の英語版の公式Xが、「中国は、軍国主義との決別を日本当局に促す」という英文とともに、2分5秒の短編アニメを投稿しましたの。題は「平和の仮面」。生成AIで作ったことを示す文字と、国営放送のロゴがついておりますわ。
絵柄はスタジオジブリそのものですの。男性が憲法の書かれた本にライターで火をつけ、日本の首相を思わせる女性政治家が出てきて、三味線のような音に乗せて女性の声が日本語で「平和の仮面を脱ぎ捨てる」「軍備を増す国へ突き進む」と歌いますわ。終わりのほうでは、長崎で原爆を受けて片方の柱だけ残った鳥居によく似た鳥居が廃墟の街に立ち、最後に『火垂るの墓』の節子にそっくりなおかっぱの少女が、花瓶を手に涙を流しますの。
記事によれば、投稿への「いいね」は9月3日の昼で300に届いておりませんでしたわ。けれど日本語圏では「ジブリの丸パクじゃん」という声が相次いで、記事になりましたの。
わたくしの見立てを、先に書いておきますわね。中国には、モラルというものがないと思っておりますの。 正しくは、中国人がというより、共産主義のほうがモラルを持たないのですわ。「14億人もいれば、一部にはそういう人もいるでしょう」と言われますけれど、その一部が1億にも2億にもなるなら、それはもう一部ではございませんでしょう。
そう思いながら、欄を数えに行きましたの。配信の翌朝、親コメント952件(記事のコメント総数1,265件)を読み通して、ボタンを数えましたわ。
91対9——揃った欄ですけれど、いちばんではございませんの
押された「共感した」は16,015回、「うーん」は1,572回。91対9ですわ。「うーん」が上回った声は70件=7%ですの。
これまで34本の欄を数えてまいりまして、これより揃った欄は7本ございますわ。テレビの受信料が46対1、渋谷の美人局が95対5、といった具合ですの。ですから「中国のことになると日本のコメント欄は一斉に燃える」という絵は、この数字からは出てまいりませんわ。よく揃った欄、というところですの。
けれど揃っているときこそ、どこに揃ったのかを数えなければなりませんのよ。今回は、そこに驚きがございましたわ。
票の37%が、1件に入りましたの
いちばん大きな声は、5,976回。この欄の共感の37%が、この1件に入っておりますわ。
よくこんなアニメーションを恥ずかしげもなくアップしますね。
内容も中国政府と人民解放軍らしいプロパガンダに溢れたものでどうしようもないものですが、最後に出てくる少女など火垂るの墓の節子そのものですよ。恐らくこれを見た中国の皆さんもあららーと思うんじゃないですか。スタジオジブリは知的財産権の侵害で文句を言ったほうがいいでしょうね。外国の方に、ここを見ていただきたいのですわ。この方は呆れておりますけれど、呆れる相手を「中国政府と人民解放軍」と書いておりますの。そして中国の人については、「これを見た中国の皆さんもあららーと思うんじゃないですか」——つまり、自分と同じ側に置いておりますわ。
これが、この欄でいちばん多く押された一文ですの。
宛先を数えましたわ——政府と軍に54%、「中国人」に0.6%
ですから、欄の全部で宛先を数えてみましたの。
中国政府・軍・共産党・国を名指しして書いた声は297件・8,649回——票の54%ですわ。いっぽう、「中国人」の国民性や民度そのものに向けた声——「民度が低い」「国民性だ」といった書き方の声は、38件・97回——票の0.6%ですの。
97回ですわ。8,649回に対して。
わたくしは「14億のうち1億2億なら一部ではない」と思っておりましたけれど、人数で中国の人を語った声は、952件のうち1件もございませんでしたの。 この欄は、中国の人を数えておりませんわ。政府と軍を見ておりましたの。
これは、当サイトで前にロシアが日本の抗議に抗議し返した欄を数えたときと同じ形ですわ。あのときも、欄が向いた先は国と政府で、その国の人たちではございませんでしたの。日本のコメント欄は、隣の国が何かをすると、その国の政府に腹を立てますわ。人にはあまり向きませんの。少なくとも、ボタンはそう押されておりますわ。
欄が話していたのは、パクリの話でしたの——57%
宛先が政府と軍なら、話の中身はパクリでしたわ。パクリ・著作権・知的財産に触れた声は952件のうち300件、9,163回——票の57%ですの。記事の見出しにもある「丸パク」という言葉が、この欄の真ん中にございましたわ。
ただし、この欄は法律に甘くはございませんでしたの。328回を集めた声は、絵柄の模倣だけでは知的財産権の侵害にならないらしい、と書いて、だから権利を守る法律の整備が要る、と結んでおりますわ。いちばん大きな声は「ジブリは文句を言ったほうがいい」と言い、8番目の声は「その文句は通らないかもしれない」と言いましたの。どちらにも共感が入っておりますわ。呆れながら、自分の足元も確かめている——それがこの欄の形ですの。
形の話をもうひとつ。952件のうち424件——45%には、どのボタンも1回も押されておりませんの。この欄は合唱ではございませんでしたわ。とても大きな人だかりが、とても少ない大きな声のまわりに立っていて、その大きな声が向いていたのが、政府と軍、節子、ジブリ、の順でしたの。
3位は、AIを使った側の話でしたわ
AIは使用者の人間性が出ますね。
手間や専門知識がなくても形にできるハードルが下がった分、「何をチョイスするか」「どんな意図でそれを使うか」という本質がダイレクトに露出します。
手にしたハサミで美しい切り絵を作る人もいれば、他者を傷つけようとする人がいるように。
今回はモラルやリスペクトのなさがモロに出てしまいましたね。1,508回ですわ。モラルや道徳という言葉を使った声は23件・1,895回=票の12%で、そのうち1,508回はこの1件ですの。
わたくしは「モラルがない」と書きましたし、この方も「モラルやリスペクトのなさ」と書いておりますわ。けれどこの方が言っているのは、AIは道具で、道具に人間性が出た、ということですの。出たのは作った側——軍の広報の人間性ですわ。中国の人の話は、していらっしゃいませんの。
AIの使い方に触れた声は107件・4,980回=31%。2位の1,627回は「AIに学習されない権利について、日本ではまったく議論されていない」でしたわ。この欄は中国に呆れながら、日本の側の宿題もちゃんと数えておりましたの。
4位は、皿の上の話でしたの
これは外国の方に、いちばん持ち帰っていただきたい一件ですわ。
一つの皿にご飯と焼き魚を乗せています。 日本人はこの様なスタイルで食事はしません。 ご飯は茶碗へ魚は皿にと分けて食べますよ。 日本へ批判アニメをジブリ風にしたければ、日本人の習慣もちゃんと調べて作るべきですね。1,004回。ご飯と焼き魚が同じ皿に乗っている——日本の家ではご飯は茶碗、魚は皿で、分けて出しますの。アニメの中の食卓を見て、この方はそこに引っかかりましたわ。
軍のプロパガンダに対して、憲法でも軍備でもなく、皿の話で1,004回ですの。日本のコメント欄は、大きな話をされたとき、いちばん小さな間違いを見つけて、そこを笑いますわ。恥ずかしい・滑稽だ・笑うしかない、と書いた声は183件・7,117回=票の44%ですの。怒っている欄ではございませんわ。呆れている欄ですの。
わたくしが共有した声は、6番目でしたわ
わたくしがXで共有したのは、この声ですの。
もう、ここまで来ると、笑うしかありませんね!
「自分等の超軍国主義の棚上げ」と「日本への
極度な内政干渉」……。
とうやら中国政府は、「日本がこれ以上の守備力を
持ってもらっては困る」…のだと思います。
[…]結局、どんなに綺麗事を言っていても、最終的に
世界を戦乱に引きずり込むのは、社会主義・共産主義
主体の独裁国家なんですよね!366回、欄の6位ですわ。自分の軍拡は棚に上げて、という声は60件・1,087回=7%ですの。
そして「共産主義」という言葉を使った声は、952件のうち13件・384回=2%。そのうち366回が、この1件ですわ。 わたくしの見立てにいちばん近い言葉を使った声は、欄の上のほうにこれ1件だけで、あとの12件は合わせて18回ですの。
「うーん」が勝った声を、2件だけ
この欄で「うーん」が上回った70件のうち、中国の側を少しでも持ち上げた声を2件、置いておきますわ。
ただAce-StepやMiniMaxのような優れた生成基盤を作ってるのは中国チームであり、「中国人はやっぱりコピーばっかりじゃないか」と馬鹿にするのは違うと思いますよ。共感13回、うーん15回。中国の会社がすぐれた生成AIの土台を作っている、中国人は真似ばかりだと馬鹿にするのは違う、と。
中国の文学には荒唐無稽でいながら人間の本質を掘り下げた素晴らしいものがたくさん有りますよね。そんな古典を美しい動画で見てみたいと思う。[…]世界が喜ぶのはそっちでは?共感39回、うーん187回ですわ。中国には素晴らしい古典がある、それを美しい動画で見たい、と。
ここは正直に書きますわね。中国の人や中国の文化を持ち上げた声には、この欄は「うーん」を押しておりますの。中国の人を責めた声が0.6%だったからといって、中国の人をほめた声が歓迎されたわけではございませんわ。この欄は、中国の人については、責めもせず、ほめもせず、話題にしなかった——それがいちばん正確な言い方ですの。
わたくしの見立ての答え合わせですわ
「モラルがない」——12%が頷きましたわ。ただし、いちばん大きな1,508回は「AIを使った側の人間性が出た」という書き方で、宛先は軍の広報ですの。
「中国人ではなく、共産主義の問題」——宛先を人ではなく仕組みに置いた点は、欄とわたくしは同じでしたわ。政府・軍・党・国に票の54%が入りましたの。けれど「共産主義」という言葉そのものを使った声は13件・2%で、そのうち366回はわたくしが共有した1件ですわ。欄はもっと手前の言葉——「中国政府」「人民解放軍」——で呆れておりましたの。
「一部ではなく、1億2億」——0件ですわ。中国の人を人数で語った声は、952件のうち1件もございませんでしたの。わたくしはそこに理屈を置きましたけれど、この欄はそこを通りませんでしたわ。
わたくしは中国という国全体を見て腹を立てましたの。欄は、中国の政府と軍を見て呆れておりましたわ。腹を立てるのと呆れるのは違いますし、国と政府も違いますの。数えるまで、わたくしにはその差が見えておりませんでしたわ。
外国の方へ——節子と、片方だけの鳥居の話ですわ
最後に、持ち帰れるものを置いておきますわね。
『火垂るの墓』は、1988年の高畑勲監督のアニメですの。戦争の終わりの神戸で、親を失った兄と幼い妹の節子が、誰にも頼れずに飢えて死んでいく話ですわ。日本の多くの人が子どものころにテレビで見て、二度は見たくないと言う作品ですの。その節子に似せた少女を、外国の軍が日本を批判する映像の最後に置いた——日本の人が最初に反応したのは、そこですわ。
片方だけの鳥居は、長崎にございますの。1945年の原爆で片方の柱が吹き飛び、残った一本が今も立っておりますわ。当サイトでは前に、原爆をめぐる欄が1.5対1に割れたことも数えましたの。長崎の鳥居に触れた声は19件・288回=2%で、今回の欄は、そこにはあまり止まりませんでしたわ。止まったのは、節子と、パクリと、皿の上ですの。
そして、日本の側の空気ですわ。この欄は91対9で揃いましたけれど、揃った先は「中国政府と軍」でしたの。「中国人」に向いた票は0.6%、人数で語った声は0件。日本のコメント欄は、隣の国の政府には冷たく、隣の国の人にはほとんど口をききませんでしたわ。 それが良いことなのか、わたくしには分かりませんの。ただ、そうボタンが押されたことだけは、数えて分かりましたわ。
引用はすべて原文ママで、出典を明記し、投稿者名は伏せています。引用は論評に必要な範囲に限っています。訳はわたくし。元記事は配信終了により閲覧できなくなる場合があります(取得日を記載)。本記事の主体は筆者の論評ですわ。