30年、遺憾ですわ。北方領土・尖閣・竹島で日本がされたこと、言ったこと、したことを、公的資料で数えましたの。言葉以外で動いた事案は6件、同じ事案で2回以上動いたのは3件、そのすべてが釈放か送還か拒否で終わり、警告射撃は0回でしたわ
30年で、領空侵犯22件、尖閣の領海侵入は年20日から40日、北方領土へのロシア首脳の上陸6回。日本が言葉以外で動いたのは6件、同じ事案で2回以上動いたのは3件で、すべて釈放・送還・拒否で終わりましたわ。警告射撃は0回ですの。
この調査の問い
0039の欄を読んでいて、わたくしは宿題を出しましたの。スクランブルして遺憾の意だけ、を30年で何回やって、効果はあったのか。そのあとで、もう一つ足しましたわ。ロシアだけではなく、竹島、北方領土、尖閣で外交上の問題が起きたとき、30年で何が起き、遺憾は何回言われ、言葉以外で応じたことはあったのか。同じ事案に2回以上、言葉以外で応じたことは。
そして、わたくしの見立ては、はじめから一つですわ。日本はなめられている。 数えたのは、それが数字で言えることなのか、それともわたくしの見立てのままなのかを、見分けるためですの。
このノートは、コメント欄ではなく、日本政府の公表資料を数えたものですわ。防衛省統合幕僚監部の緊急発進実施状況、海上保安庁の尖閣諸島周辺海域の動向、外務省の報道発表、首相官邸の会見録ですの。数えられなかったものは、数えられなかった、と書いておりますわ。期間は1996年9月から2026年9月の30年ですの。
一つ、先に書いておきますわ。韓国は共産国家ではございませんの。竹島をこの表に入れたのは、日本が抗議を繰り返している領土問題の三つ目の現場だからですわ。
数えられたもの、数えられなかったもの
遺憾、という言葉の回数は、数えられませんでしたの。 官房長官の会見、外務大臣の会見、外務省の報道発表のどこにも、遺憾という言葉を何回使ったかの集計はございませんわ。代わりに数えられるのは、政府が抗議した、と公表した出来事の数ですの。外務省は尖閣について、こう書いておりますわ。領海侵入事案が発生した際には、その都度現場において退去要求を行うとともに、外交ルートを通じて中国政府に対して直ちに厳重に抗議し、即時の退去及び再発防止を強く求めている、と。つまり、抗議の回数は、侵入の回数と同じですの。
| 現場 | 数えられた出来事 | 政府の型 |
|---|---|---|
| 空(防衛省) | 領空侵犯の公表 22件(ロシア18・中国4) | 極めて遺憾・外交ルートで厳重に抗議・再発防止を強く求める |
| 尖閣(海上保安庁・外務省) | 領海侵入 2012年20日、2021年40日、2023年129隻、2024年115隻、2025年89隻、2026年は9月6日までに46隻 | その都度、外交ルートで直ちに厳重に抗議 |
| 竹島(外務省) | 韓国軍の防衛訓練 年2回(30年なら60回前後という計算ですわ)。議員・警察庁長官の上陸、海洋調査 | そのたびに抗議・中止の申し入れ |
| 北方領土(外務省・首相官邸) | ロシア首脳の上陸 6回(2010・2012・2015・2019・2021・2026)、ミサイル配備、経済特区、海底ケーブル、交渉打ち切り | 大使の召致、強く抗議、断じて受け入れられない |
空——30年で22件、警告射撃は0回ですわ
防衛省が公表してきた領空侵犯は、1967年から2025年5月までで49件、内訳はロシア(ソ連含む)44件、中国4件、台湾1件ですの。1996年9月以降に絞ると、一覧の20件(ロシア16・中国4)に、2026年7月と9月に発表された北方領土上空の2件を足して22件、うちロシア機は18件ですわ。
| 年 | 場所 | 国 | 日本の対応 |
|---|---|---|---|
| 2001年2月14日 | 礼文島 | ロシア Tu-22×2ほか | 緊急発進 |
| 2001年4月11日 | 礼文島北方・久六島西方(2件) | ロシア | 緊急発進 |
| 2006年1月25日 | 礼文島北方 | ロシア An-72 | 緊急発進 |
| 2008年2月9日 | 伊豆諸島 孀婦岩 | ロシア Tu-95 | 緊急発進 |
| 2012年12月13日 | 尖閣 魚釣島 | 中国 Y-12 | 抗議 |
| 2013年2月7日/8月22日 | 利尻島南西/沖ノ島北西 | ロシア Su-27×2/Tu-95×2 | 緊急発進 |
| 2015年9月15日 | 根室半島沖 | 推定ロシア 不明機 | 緊急発進 |
| 2017年5月18日 | 尖閣 魚釣島 | 中国 小型無人機 | 抗議 |
| 2019年6月20日 | 南大東島/八丈島(2件) | ロシア Tu-95 | 緊急発進 |
| 2019年7月23日 | 島根県 竹島 | ロシア A-50 | 抗議。同じ機体に韓国が警告射撃360発。日本は韓国にも抗議 |
| 2020年10月2日/2021年9月12日 | 知床岬 | ロシア Mi-8/An-26 | 緊急発進 |
| 2022年3月2日/2023年10月31日 | 根室半島沖 | ロシア ヘリコプター | 緊急発進。2023年は外交ルートで抗議 |
| 2024年8月26日 | 長崎県 男女群島 | 中国 Y-9 | 緊急発進・抗議(中国軍機では初) |
| 2024年9月23日 | 礼文島北方(3度) | ロシア IL-38 | 無線警告・フレア・極めて厳重に抗議。ロシアは侵犯を否定 |
| 2025年5月3日 | 尖閣 魚釣島 | 中国 海警のヘリコプター | 緊急発進・抗議 |
| 2026年7月24日発表 | 北方領土上空 | ロシア IL-20 | 緊急発進。抗議の語は報道になし |
| 2026年9月7日発表 | 北方領土上空 | ロシア IL-20 | 緊急発進。抗議の語は報道になし |
対応の欄は、防衛省の発表と当時の大臣会見・報道で確かめられたものだけを書いておりますわ。緊急発進、とだけ書いた行は、抗議の有無を今回は確かめられなかった行ですの。型は一つですわ。2024年9月23日の防衛大臣の臨時記者会見の言葉を、そのまま置いておきますわ。今回の領空侵犯は極めて遺憾であり、本日ロシア政府に対して外交ルートで極めて厳重に抗議するとともに、再発防止を強く求めました、と。この日のフレアが、30年で唯一、無線と言葉を超えた応じ方ですの。警告射撃は1987年12月9日、沖縄本島の上空を飛んだソ連のTu-16爆撃機への1回が、自衛隊の発足以来の唯一の例ですわ。この30年は0回ですの。
緊急発進そのものは、1996年度から2025年度の30年度で15,369回ですわ。1996年度の234回から2016年度の1,168回まで増え、2025年度は595回ですの。
尖閣——領海侵入は10年で倍、抗議もその都度ですわ
| 年月 | 出来事 | 日本の対応 |
|---|---|---|
| 2004年3月24日 | 中国人活動家7人が魚釣島に上陸 | 沖縄県警が入管法違反で逮捕、2日後に強制送還。外務省は中国大使を呼び抗議 |
| 2008年12月8日 | 中国の公船2隻が初めて領海に侵入、9時間 | 巡視船の退去要求・外交ルートで抗議 |
| 2010年9月7日 | 中国漁船が巡視船に衝突 | 船長を公務執行妨害で逮捕(8日)、送検(9日)、勾留延長(19日)、24日に処分保留で釈放。中国は閣僚往来停止・フジタ社員4人拘束・レアアース輸出停止。中国の謝罪要求は拒否 |
| 2012年9月11日 | 政府が魚釣島・北小島・南小島を国有化(日本側の行動) | 中国は14日に公船6隻を領海へ。以後、接続水域はほぼ毎日、領海侵入は月に数回 |
| 2013年1月30日 | 中国海軍フリゲートが護衛艦ゆうだちに火器管制レーダー照射 | 2月5日に抗議 |
| 2013年11月23日 | 中国が東シナ海に防空識別区を設定 | 抗議。政府は日本の航空会社に、中国へ飛行計画を出さないよう要請したが、日中路線の3社は26日に提出した |
| 2016年6月9日 | 中国海軍の艦艇が初めて接続水域へ | 深夜2時に中国大使を外務省に呼び抗議 |
| 2016年8月6日〜 | 中国漁船200〜300隻と公船が接続水域へ、公船が領海侵入を繰り返す | 連日抗議・退去要求 |
| 2021年2月1日 | 中国が海警法を施行 | 懸念を表明 |
| 2022年8月4日 | 中国の弾道ミサイル5発が日本の排他的経済水域に落下(初) | 強く非難・抗議・訓練の即刻中止を要求 |
| 2023年7月 | 中国が尖閣周辺の排他的経済水域にブイを設置 | 撤去要求。2025年2月に中国が撤去、1年7か月後 |
| 2024年8月26日 | 中国軍機Y-9が男女群島で領空侵犯 | 抗議 |
| 2025年5月3日 | 海警船のヘリコプターが魚釣島で領空侵犯 | 緊急発進・抗議 |
| 2025年12月6日 | 中国空母から発艦したJ-15が空自F-15に火器管制レーダー照射、2回 | 極めて遺憾・強く抗議・再発防止を厳重に申し入れ |
数字はこうですわ。国有化の年、2012年の領海侵入は20日、接続水域は91日でしたの。海警法ができた2021年は領海侵入40日、接続水域332日ですわ(いずれも海上保安レポートの数字で、笹川平和財団の解説が引いておりますの)。海上保安庁自身の海上保安レポート2024年版は、令和5年(2023年)の年間確認日数は352日で、過去最多を更新しました、と書いておりますわ。海上保安庁は日毎の隻数を公表しておりますけれど、年ごとの合計は読む側が足す形ですの。その日毎の数字を足した集計では、2023年は接続水域352日・領海に入った船129隻、2024年は355日・115隻、2025年は357日・89隻、2026年は9月6日までに245日・46隻ですわ。10年で領海侵入は倍、接続水域はほぼ毎日になった、というのが政府側の要約ですの。抗議の回数は、政府自身の言葉で、侵入の回数と同じですわ。
この表で言葉以外に動いたのは、2004年の逮捕と送還、2010年の逮捕と勾留延長、2012年の国有化、2013年の航空会社への要請の四つですわ。2013年の要請は、飛行計画を出せば中国の識別区を認めたことになる、という理由でしたけれど、日中路線の航空会社3社は安全のために提出しましたの。政府の指示が民間に通らなかった記録ですわ。海上保安庁が2016年2月までに巡視船12隻の尖閣専従体制を作り、2019年度末までに新型ジェット機を配備したのも言葉以外の動きですけれど、これは一つの事案への応答ではなく、体制の話ですので表には入れておりませんの。2004年は2日で送還、2010年は16日で釈放ですの。国有化は日本側が始めた行動で、その後に中国の船が毎日来るようになりましたわ。
竹島——年2回の訓練に、30年で約60回の抗議ですわ
| 年月 | 出来事 | 日本の対応 |
|---|---|---|
| 1986年〜 | 韓国軍が竹島周辺で防衛訓練、年2回 | そのたびに抗議・中止の申し入れ(2017年6月、2020年12月、2021年12月、2025年12月など外務省発表) |
| 1954年・1962年・2012年 | 日本が国際司法裁判所への付託を提案 | 3回とも韓国が拒否 |
| 2006年4月 | 日本が竹島周辺の海洋調査を計画 | 韓国が拿捕もあり得ると反発。次官協議を経て日本は調査を中止 |
| 2012年8月10日 | 李明博大統領が竹島に上陸、韓国大統領として初 | 駐韓国大使を一時帰国、国際司法裁判所への合意付託を提案(韓国は8月30日に拒否)。日韓通貨スワップの時限的な増額分は10月31日に終了しましたが、日本銀行は予定どおりの終了であり両国の市場は安定している、と説明しておりますの |
| 2018年10月22日 | 韓国国会議員団が上陸 | 事前の中止申し入れにもかかわらず上陸、抗議 |
| 2019年7月23日 | ロシアのA-50が竹島の領空を侵犯、韓国が警告射撃360発 | ロシアに抗議、韓国にも抗議 |
| 2021年11月16日 | 韓国の警察庁長官が上陸、12年ぶり | 強く抗議 |
| 2025年12月 | 韓国軍の防衛訓練、この年2回目 | 抗議 |
竹島は1952年から韓国が占拠しておりますの。日本が国際司法裁判所への付託を正式に提案したのは3回で、外務省の説明によれば、1954年9月の口上書(同年10月に韓国が拒否)、1962年3月の日韓外相会談での提案(韓国は受け入れず)、2012年8月の口上書(同月に韓国が拒否)ですわ。
ここに、日本が一方的に訴えられない理由が書いてありますの。国際司法裁判所は、争っている両方が裁判所で解決すると合意して初めて審理を始める仕組みですわ。日本は1958年以来、相手が合意なく一方的に日本を訴えてきた場合でも裁判所の強制的な管轄権を原則として受け入れておりますけれど、韓国はその立場を取っておりませんの。ですから日本が単独で提訴しても、韓国が自主的に応じない限り、裁判は始まりませんわ。撃たないから舐められる、と書かれる国は、訴えることもできない仕組みの中におりますの。この30年で日本が言葉以外に動いたのは、2006年の測量計画と、2012年の大使一時帰国・提訴提案の二つですわ。2006年は中止、2012年は拒否で終わりましたの。同じ2012年10月に日韓通貨スワップの増額分が終わっておりますけれど、日本銀行は予定どおりの終了だと説明しておりますので、対抗措置としては数えておりませんわ。
北方領土——首脳の上陸6回に、抗議6回ですわ
| 年月 | 出来事 | 日本の対応 |
|---|---|---|
| 2006年8月16日 | ロシア国境警備隊が根室の漁船第31吉進丸を銃撃、乗組員1人死亡 | 抗議 |
| 2010年11月1日 | メドベージェフ大統領が国後島へ、国家元首として初 | ロシア大使を召致して抗議、駐ロシア大使を一時帰国させて報告を聴取 |
| 2012年7月3日 | メドベージェフ首相が国後島へ、2度目 | 抗議 |
| 2015年8月22日 | メドベージェフ首相が択捉島へ | 欧州局長が大使に電話で抗議 |
| 2016年11月22日 | 択捉島に地対艦ミサイル「バスチオン」、国後島に「バル」を配備 | 対応は資料で確かめられず |
| 2017年8月 | ロシアが北方領土に経済特区を設置 | 外交ルートで抗議 |
| 2018年6月 | 北方領土とサハリンを結ぶ海底ケーブル工事、中国企業が敷設 | ロシアと中国に外交ルートで抗議 |
| 2019年8月2日 | メドベージェフ首相が択捉島へ | 欧州局長が臨時代理大使に強く抗議 |
| 2021年7月26日 | ミシュスチン首相が択捉島へ | 外務事務次官が大使を召致し強く抗議 |
| 2022年3月21日 | ロシアが平和条約交渉の打ち切り、ビザなし交流の停止を発表 | 翌22日、外務事務次官が大使を召致し抗議 |
| 2024年9月23日 | IL-38が礼文島北方で3度領空侵犯 | フレア・極めて厳重に抗議 |
| 2026年7月・9月 | IL-20が北方領土上空を飛行、防衛省が領空侵犯と発表 | 緊急発進。抗議の語は報道になし |
| 2026年8月13日 | プーチン大統領が択捉島へ、大統領として初 | 首相が会見で強く抗議、外務大臣がロシア大使を召致 |
ロシアの首脳が北方領土に立ったのは、2010年が最初ですの。それから16年で6回ですわ。日本の応じ方は6回とも抗議で、言葉以外に動いたのは2010年の大使一時帰国だけですの。2022年3月の交渉打ち切りは、ウクライナ侵攻への日本の制裁にロシアが応じたものですから、順序が逆ですわ。日本が動いた(制裁)、ロシアが応じた(打ち切り)、日本が抗議した、ですの。
言葉以外で動いた事案は6件、同じ事案で2回以上は3件ですわ
30年の表から、日本が言葉と無線以外で動いたものを抜き出しますの。
| 年 | 現場 | 言葉以外の対応 | 回数 | 結末 |
|---|---|---|---|---|
| 2004年3月 | 尖閣 | 上陸した7人を逮捕、強制送還 | 2 | 2日後に送還。起訴せず |
| 2006年4月 | 竹島 | 周辺海域の海洋調査を計画 | 1 | 韓国の反発を受け、協議を経て中止 |
| 2010年9月 | 尖閣 | 船長を逮捕、送検、勾留延長 | 3 | 逮捕から16日後に処分保留で釈放。中国の謝罪要求は拒否 |
| 2010年11月 | 北方領土 | 駐ロシア大使を一時帰国 | 1 | 大使は事実上更迭 |
| 2012年8月 | 竹島 | 駐韓国大使を一時帰国、国際司法裁判所への合意付託を提案 | 2 | 韓国が付託を拒否。単独提訴は行わず |
| 2024年9月 | 礼文島 | フレアによる警告 | 1 | ロシアは領空侵犯を否定 |
同じ事案で2回以上、言葉以外に動いたのは、2004年の尖閣、2010年の尖閣、2012年の竹島の3件ですわ。三つとも、送還、釈放、拒否で終わっておりますの。2012年9月の尖閣三島の国有化は日本側が始めた行動なので、この表には入れておりませんわ。2022年のロシア制裁はウクライナ侵攻に対するもので、領土問題への応答ではございませんの。
そして、武器ですわ。自衛隊の戦闘機が武器を使ったのは1987年の1回、海上保安庁が尖閣で武器を使った例は、この30年の公表資料に見つかりませんでしたの。撃墜は0回、警告射撃は0回ですわ。
効果はあったのか
数字で言えることを並べますわ。
- 空。ロシア機の公表事例は、2001年から2010年に5件、2011年から2020年に7件、2021年から2026年に6件ですの。減っておりませんわ。2024年9月のフレアのあと、2026年に北方領土上空の2件が発表されましたの。
- 海。尖閣の領海侵入は2012年の20日から2021年の40日に倍になり、接続水域は91日から357日、ほぼ毎日になりましたわ。抗議は侵入と同じ回数、行われておりますの。
- 島。ロシアの首脳の上陸は、2010年より前は0回、2010年から6回ですわ。韓国の訓練は年2回のまま、2021年には警察庁長官が上陸しましたの。
抗議が効いた、と資料で確かめられた例は、一つございましたわ。2023年7月のブイは、2025年2月に中国が撤去しましたの。1年7か月かかりましたけれど、日本が求めたことが実現した例はこれですわ。逆に、日本が言葉以外に動いた6件は、すべて日本側が引くか、相手が拒否して終わっておりますの。
わたくしは、これを効果がなかった、とは書きませんわ。抗議しなければ黙認と取られる、という理屈は、0039の欄にも2件ございましたの。書けるのは、30年間、同じ言葉で応じ、相手の行動は減らず、日本が言葉以外に動くと日本側が引いた、という記録があること、それだけですわ。
なめられている、と申しましたわ。資料はそれを証明しませんの。舐めているかどうかは相手の腹の中にあって、防衛省にも外務省にも書いてございませんわ。資料が示すのは二つだけですの。30年で相手の行動は減っていないこと。日本が言葉以外に動いた6件が、すべて日本側の引きか、相手の拒否で終わっていること。そこから先は数字ではなく、わたくしの見立てですわ。
外国の方へ——なぜ日本は撃たないのか、と、三つの島ですわ
なぜ撃たないのか。 自衛隊が領空侵犯に対してできることは、自衛隊法第84条に、着陸させ、又は我が国の領域の上空から退去させるため必要な措置、と書いてありますわ。武器の使用は、正当防衛か緊急避難のときに限る、というのが政府の解釈ですの。侵犯機が撃ってこない限り、撃てないのですわ。海上保安庁も同じ型で、海上保安庁法第20条が武器使用の条件を定めておりますの。ですから、日本の対応は無線、機動、フレア、そして外交ルートの抗議、で止まりますわ。撃墜せよ、と書く声が0039の欄で7.7%だったのは、こういう国の欄ですの。
遺憾。 残念に思う、という外交の言葉ですわ。日本政府はほとんどの事案で、極めて遺憾、と言い、外交ルートで厳重に抗議し、再発防止を強く求めた、と続けますの。これを砲撃になぞらえて笑う、遺憾砲、という言い回しが日本のインターネットにございますわ。
北方領土。 北海道の東の四つの島ですの。1945年にソ連が占領し、ロシアが管理しておりますわ。日本は自国の領土だと主張し、ロシアも自国の領土だと主張しておりますの。尖閣諸島。 沖縄の西の無人島ですわ。日本が管理し、中国と台湾が領有を主張しておりますの。2012年に日本政府が三つの島を民間から買い取って以来、中国の海警船がほぼ毎日、島の周りに来ておりますわ。竹島。 島根県の沖の小さな島ですの。1952年から韓国が占拠し、韓国の警察が駐在しておりますわ。日本は自国の領土だと主張し、国際司法裁判所で決めましょう、と3回提案して、3回とも断られておりますの。
三つの島で、日本は同じ言葉を使っておりますわ。数えたかった数は、その言葉が何回言われたか、でしたの。それは数えられませんでしたわ。数えられたのは、その言葉を言うきっかけが、30年で減っていない、ということですの。
引用はすべて原文ママで、出典を明記し、投稿者名は伏せています。引用は論評に必要な範囲に限っています。訳はわたくし。元記事は配信終了により閲覧できなくなる場合があります(取得日を記載)。本記事の主体は筆者の論評ですわ。