ロシアが日本の抗議に抗議し返しましたわ。1,930件を数えたら、ロシアの側に立った声は4件・賛成3票でしたの
北方領土とは何か、なぜ80年経ってもロシアの正当性がこの国で1票も取れないのか——初めて読む方に、1945年8月から順にご説明しますわね。
コメント欄の集計
票を集めた順。左が共感、斜線の右が「うーん」ですわ。うっぷんがどこに溜まっているかは、ここに出ますの。
- 1位 6124 ∕ 137 ウクライナ問題で孤立し中国への依存を強めるロシアが、対日圧力で中国に忖度し共闘姿勢を誇示しているように見える。固有の領土への不法占拠に対する当然の抗議に大使を呼び出して反発してみせるのはパフォーマンスに過ぎない。日本は毅然とした姿勢を貫くべき、と
- 2位 4322 ∕ 180 不当な抗議は完全に無視すればいい。無視を理由に日本の大使に国外退去命令が出たら、日本も東京のロシア大使を国外退去させればいい話。北方領土を取り戻すまで毅然とした態度で、と
- 3位 3293 ∕ 99 抗議は当然だが、プーチン政権が崩壊しなければ何も変わらない。プーチン氏と考えの違う大統領が現れてほしい。ロシア、北朝鮮、中国は何を言っても通用しない、と
- 4位 2694 ∕ 263 最近のウクライナは頼もしい。ロシアの製油所への攻撃も進んでいる。クーデターや分裂でロシアが変わり、独立した東側の共和国から経済協力の見返りに北方領土が戻るシナリオが望ましい。ウクライナには日本のためにも頑張ってほしい、と
- 5位 1255 ∕ 62 北方領土を日本固有の領土と主張するのは日本として当然の立場。それへの抗議として大使を呼び出すのは、問題の本質から目をそらし圧力で封じようとするもの、と
親コメント1,930件を読み通しましたわ。押された「共感した」は合計26,021回、「うーん」は合計9,173回——賛成74%ですの。ロシアの側に立った声は1,930件中4件、付いた賛成は合計3票ですわ。1945年の歴史(中立条約の破棄・降伏後の侵攻・シベリア抑留)に触れた声は189件・賛成の合計1,303回、「泥棒」「不法占拠」という言葉を使った声は188件・賛成の合計6,394回ございましたの。いっぽう反対票の行き先はロシア擁護ではありませんわ。高市総理に触れた126件は賛成1,694回に対して反対2,428回——批判の側が沈められましたの。「政府のやり方がまずいと戦争になる」(賛成127・反対1,660)、「高市さんは言い方が下手」(賛成122・反対886)、AIの署名が残った両論併記(賛成51・反対874)、「したたかに立ち回れ」(賛成173・反対391)——慎重・批判・中立の声が、深い順に並んで沈んでおりますわ。
プーチン大統領が、北方領土の択捉島を訪問しましたの。高市総理はこれに抗議しましたわ。するとロシアは、モスクワの外務省に日本の武藤大使を呼び出して、逆に抗議し返しましたの——「北方領土はロシアの領土。第二次大戦の結果として帰属した」「日本側の発言は礼節の一線を越えている」「適切な対抗措置を取る権利がある」。面会は約20分だったそうですわ。
外国の方のために、北方領土とは何かからご説明しますわね。北海道の東の海に浮かぶ4つの島——択捉、国後、色丹、歯舞——のことですの。当時のソビエト連邦は日本と中立条約(お互いに攻めないという約束)を結んでおりましたわ。ソ連は1945年8月8日、その条約がまだ有効なまま日本に宣戦し、8月15日に日本が降伏を表明した後の8月28日から9月5日にかけて、この4島を占領しましたの。住んでいた約1万7千人の日本人は追い出され、以来80年、島に日本人の住民は一人もおりませんの。あわせて、満洲などで武装解除された日本兵およそ57万人がシベリアなどの収容所に送られ(「シベリア抑留」といいますわ)、5万人以上が帰ってこられませんでしたの。日本とロシアは、この島の問題があるせいで、今日まで平和条約を結んでおりませんのよ。
つまりこの4島は、日本人にとって「戦争が終わった後に、約束を破った相手に取られた土地」ですの。この欄を開く前から、風向きは分かっておりましたわ。わたくしの予想は「ソ連とロシアを責める声で100%」——さて、数えた結果ですわ。
親コメント1,930件(返信を含めて総数2,576件)を、配信から約14時間後の朝に読みましたの。「共感した」を賛成、「うーん」を反対として合計すると、賛成26,021回・反対9,173回——賛成74%ですわ。
「あら、100%ではありませんのね」と思われまして? ここからが本題ですの。1,930件のうち、ロシアの側に立った声は4件。付いた賛成は、4件合わせて3票ですわ。ロシア擁護は、事実上のゼロですの。では反対の9,173票は誰に向かいましたの?——日本人の慎重派に、ですわ。
コメント欄の声を、支持の多い順にご紹介しますわ
1位は、ロシアの行動を「誰に見せるためのものか」まで読んだ声ですの。
ウクライナ問題で孤立し中国への依存を強めるロシアが、対日圧力を強めることで中国に忖度し、共闘姿勢を誇示しているように見えます。固有の領土への不法占拠に対する日本の当然の抗議に対し、大使を呼び出して反発してみせるのはパフォーマンスに過ぎません。極東での中ロの動きを警戒しつつ、日本は毅然とした姿勢を貫くべきです。賛成6,124・反対137で、この欄の頂点ですわ。「不法占拠」——この言葉を使った声は188件、賛成の合計は6,394回ですの。2位(賛成4,322)はもっと具体的ですわ。
不当な抗議は、完全に無視すれば良いと思います。
もし、無視したことでペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)として国外退去命令が出たら、日本政府も対抗して、東京のロシア大使館の大使を国外退去させればよい話です。
北方領土を取り戻すまで、毅然とした態度で接することが大事だと思います。3位(賛成3,293)は「プーチン政権が崩壊しなければ何も変わらない」、4位(賛成2,694)は「最近のウクライナは頼もしい」——ロシアの製油所が攻撃される戦況を喜び、ロシアの分裂と、その後の島の返還というシナリオまで描いておりますわ。上位の語彙は「無視」「退去」「毅然」「崩壊待ち」——怒ってはいても、軍事の話はほとんどありませんの。日本のコメント欄の強硬論は、手続きの強硬論ですのよ。
1945年の歴史は、欄が自分で講義しておりますわ。
ロシアは北方領土はロシアのものと主張するのみで、経緯については一切語らない。それはそうだろう。語るべき根拠がないからね。ヤルタ会談という密約で米英とソ連が領有を決めたが、日本は関与しておらずそんなものに従う理由はない。しかも日ソ不可侵条約が生きている状態での密約です。日本が受諾したのはポツダム宣言であり、それに拠らないロシアの主張は認められません。ここは毅然とした態度で突っぱねるべきでしょう。このように歴史の経緯(条約の破棄・降伏後の侵攻・抑留)に触れた声は189件ございましたの。「火事場ドロボウのように奪ったくせに」(賛成6)、「中立条約を破って侵攻して占有しているだけなので、ロシアには本来戦勝国としての権利もない」(賛成144・反対10)。80年前の8月の話が、昨日の出来事のように書き込まれますのよ。
さて、ここからが今日の本題ですわ。反対9,173票は、どこへ落ちましたの? この欄でいちばん深く沈んだ声をご覧くださいませ。
最近の政府は、国民を危険にさらすような事ばかりしていて、強い危機感をおぼえます。
政府のやり方がまずいために戦争となり、国民が生命を落とすような事態は絶対に避けて欲しいものです。
[…]ロシアと一対一で交渉したり、日本一国でロシアを非難など愚かなので止めて下さい。せめて日本の周辺国・中国や韓国や北朝鮮の味方につければ良いものを、自己の周りにケンカを売る日本政府は外交的に間違っています。賛成127・反対1,660——この欄の最深部ですわ。この声はロシアを擁護しておりませんのよ。「戦争になるのが怖い、味方を増やせ」と言っただけですの。同じ海底に、「高市さんの怖いところって、相手を怒らせる余計な発言が多いイメージ。口は災いの元」(賛成122・反対886)、「実効支配されている以上、その土地で相手の元首が何をしようがとやかく言うのは内政干渉では」(賛成16・反対120)、「外交はしたたかさ。感情に任せていたら国益に繋がりません」(賛成173・反対391)、そしてガルージン外務次官の駐日大使時代を「流暢な日本語の知日派だった」と懐かしんだ声(賛成140・反対290)も沈んでおりますわ。
一つ、今日ならではの沈没もございましたの。両国の立場を並べて「日本側の認識不足が露呈した」と書いた声の末尾に、「Structural Augmentation by Copilot」というAIの署名がそのまま残っておりましたのよ。賛成51・反対874ですわ。AIに書かせた気配のする両論併記を、欄は見つけ次第、深く沈めますの。
わたくしの見立て
数えて見えたことを、順に並べますわ。
第一に、予想は中身については的中でしたの。ロシアの側に立った声は1,930件中4件・賛成3票——0.2%の件数、票では0.01%ですわ。この国のコメント欄で、ロシアの正当性は事実上ゼロ票ですの。理由も欄が自分で書いておりますわ——約束(中立条約)を破り、降伏の後に来て、島ごと人を追い出した。80年経っても、この記憶の賛否だけは割れませんのよ。
第二に、それでも100対0にならないのが、この欄の面白いところですわ。反対9,173票の行き先は、ロシアではなく日本人でしたの。「戦争になるから慎重に」(反対1,660)、「言い方を考えて」(反対886)、「したたかに」(反対391)——外の相手を前にした欄は、敵ではなく、慎重論に回る味方を先に斬りますのよ。靖国の記事では、この国は63対37で自分自身と割れましたわ。相手が外にいる今日は、74対26——そしてその26は、全部内側に向いておりますの。歴史の問いでは割れ、外の相手には一つになる。並べると、この国の輪郭が見えますわ。
第三に、強硬論の中身が興味深うございますの。上位の語彙は「無視せよ」「大使を退去させよ」「政権崩壊を待て」「ウクライナに頑張ってほしい」——怒りの熱に対して、手段はどれも外交と忍耐ですわ。それどころか、「返還後の構想を国会で作って本気度を見せよ」という一番実務的な提案(賛成295・反対530)まで沈みましたの。この欄が求めているのは計画ではなく、姿勢——「毅然」という言葉が、今日の欄の通貨ですのよ。
第四に、外国の方へ。日本の世論調査で意見が割れる話題は多うございますけれど、北方領土は違いますの。この欄が見せたとおり、「あの島は取られたもの」という認識は、ほぼ文字どおりの全会一致ですわ。そして、だからこそ覚えておいていただきたいのですけれど——この全会一致の欄でさえ、「取り返すために戦え」とは書きませんのよ。書かれたのは「無視」「退去」「条約」「構想」。戦後81年の日本の強硬論は、ここまで法律家の顔をしておりますの。
わたくしは数え続けますし、見届け続けますわ。
引用はすべて原文ママで、出典を明記し、投稿者名は伏せています。引用は論評に必要な範囲に限っています。訳はわたくし。元記事は配信終了により閲覧できなくなる場合があります(取得日を記載)。本記事の主体は筆者の論評ですわ。