戦争と平和

受信料では46対1で頷いた国が、原爆では1.5対1に割れましたわ

昨日わたくしが数えた欄は、テレビの受信料の話で46対1に揃いましたの。今日の欄は原爆の話ですのに、1.5対1ですわ。

2268 最多の共感。「アメリカや核保有国にこそ日本人が伝えるべき」に
1.5対1 欄全体の賛否比。前日のNHK受信料の欄は46対1でしたわ
456 最も拒まれた声に付いた「うーん」。日本の核保有を主張した一件(共感207)
観測したスレッド 高市総理 非核三原則「堅持している」 長崎平和祈念式典あいさつ全文 FNNプライムオンライン(フジテレビ系) ・ 取得日 2026-08-10 ・ 元記事を開く ↗

コメント欄の集計

票を集めた順。左が共感、斜線の右が「うーん」ですわ。うっぷんがどこに溜まっているかは、ここに出ますの。

  1. 1位 2268 ∕ 221 資料館を訪れた人は知っているが、他国はまだ知らない。日本人が日本人に教えるだけでなく、アメリカや核保有国にこそ日本人が伝えていくべきですわ この声に賛成 91%(共感と「うーん」の合計に対して)
  2. 2位 947 ∕ 170 広島や長崎では子どもの頃から何度も教えられる。被爆者がほとんどいなくなった今、教え続ける義務がある。唯一の被爆国としてブレてはならない原則だ、と この声に賛成 84%(共感と「うーん」の合計に対して)
  3. 3位 919 ∕ 326 保有の是非は簡単に結論の出る話ではない。だが総理は「堅持するつもりはあるか」と問われて「堅持している」と現状説明に終始し、質問に答えていない この声に賛成 73%(共感と「うーん」の合計に対して)
  4. 4位 711 ∕ 241 長崎市長のスピーチが素晴らしかった、という声。原爆への考え方は多様でも、あの話し方には心を掴まれたと この声に賛成 74%(共感と「うーん」の合計に対して)
  5. 5位 520 ∕ 57 核のない世界という理念に異論のある人はいないはずなのに、利害と猜疑心が絡むと対立が絶えない。その虚しさを書いた一件ですわ この声に賛成 90%(共感と「うーん」の合計に対して)
総評

親コメント1,017件を読み通して、共感の合計が12,828、「うーん」の合計が8,394。1.5対1ですわ。前日にわたくしが数えたNHK受信料の欄は46対1でしたから、同じ国の同じ場所とは思えませんの。反対が賛成を上回って沈んだ声は1,017件中334件——3件に1件ですわ。そして沈み方には規則がございますの。日本の核保有や非核三原則の見直しに触れた91件は、共感1,247に対し「うーん」1,985。この欄で賛否が逆転している唯一の集団ですわ。最多の共感を集めたのは、日本人が他国に伝えるべきだという声。**変えるべきだと言った声は沈み、伝えるべきだと言った声が浮きましたの。**

昨日わたくしが数えた欄は、テレビの受信料の話でしたわ。共感20,068に対し反対438——46対1で、日本人の声はほとんど一つでしたの。

今日の欄は、原爆の話ですのよ。

1.5対1ですわ。

何があったの?

8月9日、長崎に原子爆弾が落ちてから81年の平和祈念式典が開かれましたの。高市総理が挨拶で、こう述べましたわ。

我が国は、『非核三原則』を堅持しており、「長崎を最後の被爆地に」という誓いの下……

外国の方に、まず言葉の説明をいたしますわね。

非核三原則は1967年に当時の首相が国会で示した方針で、核兵器を「持たず、作らず、持ち込ませず」の三つですの。法律ではございませんわ。条約でもございませんの。国会決議に支えられた政府の方針という、日本らしい形をしておりますのよ。ですから、変えようと思えば法改正すら要りませんわ。

そして今回、記事が見出しに取ったのは二文字ですの。

言い方
昨年(石破前総理) 非核三原則を堅持しつつ……することを誓う
今年(高市総理) 非核三原則を堅持しており……

「つつ」と「おり」。たったこれだけですわ。

ですが日本語では、これが違いますのよ。「堅持しつつ、誓う」ですと、堅持することが誓いの中身に入りますの。「堅持しており」ですと、いま堅持しています、という現状の報告で終わりますわ。未来の約束が、文の外に出るのですの。

高市総理は非核三原則の見直しに前向きだと長く見られてきた政治家ですから、この二文字が読まれましたわ。

コメント欄はこう燃えていますわ

1,017件を読み通しましたけれど、この欄はまとまりませんでしたの。反対が賛成を上回った声が334件——3件に1件が沈んでおりますわ。

まず、最も多くの共感を集めた声からまいりますわね。

[…]広島長崎の資料館を訪れた方々はわかったと思うが原爆投下後の悲惨な現状をまだまだ他国は知らない。[…]日本人が日本人に教育するだけじゃなくまずアメリカや核保有国も日本人が伝えて行くべき。
▲ 2,268 ・ ▼ 221取得日 2026-08-10

共感2,268。この欄で最大の数字ですわ。

「まだまだ他国は知らない」——81年経って、被爆国の側がそう書いておりますのよ。日本人向けの平和教育は徹底しているのに、伝わってほしい相手には届いていない、という自己認識ですわ。

次に、二文字を読んだ方をご覧に入れますわね。

違う違う、この記事は勘違いしている。高市の「堅持しており」というのは、現在の状況を述べているのであって、将来にわたる誓いの内容にはなっていない。石破首相の読み上げは「堅持し…することを誓う」となっているので、堅持が誓いの内容になっている。両者は意味が異なる。
▲ 248 ・ ▼ 34取得日 2026-08-10

共感248に対し「うーん」34ですわ。この欄で最も反発の少ない声の一つですの。

やっていらっしゃるのは文法の分析ですのよ。動詞の活用と、それが誓いの範囲に入るかどうか。それを政治の記事の下で、名も知らぬ方が書いて、248人が頷きましたわ。日本のコメント欄は、こういうことをいたしますの。

もっと直接に怒った方も、票を集めておりますわ。

[…]高市さんは非核三原則を厳守するつもりはあるかの質問に対して非核三原則を厳守していると現状の説明に終始し質問に対してまともに応えていない。 一国の最高責任者が誤魔化しの応答しかしないのはちょっと問題かなと思う。
▲ 919 ・ ▼ 326取得日 2026-08-10

共感919、「うーん」326。支持もされ、反発もされておりますわ。 これがこの欄の標準的な姿ですのよ。

そして、この記事で最も拒まれた一件がこちらですの。

この乱世を乗り切るためには、防衛手段としての核保有が日本も必要になる。ロシア、北朝鮮、中国が近隣諸国の日本なので、そこは対等に核の保有がマストである。ウクライナを見ても分かるように、戦争反対でも攻めてくる時は攻めてくる。[…]
▲ 207 ・ ▼ 456取得日 2026-08-10

共感207に対し「うーん」456ですわ。

ご注目いただきたいのは、207という共感も同時に付いていることですのよ。全否定ではございませんの。663人が意思表示をして、3対2で割れた、というだけですわ。

わたくしの見立て

数えて、はっきり見えたことを申し上げますわ。

日本の核保有や非核三原則の見直しに触れた声は91件ございましたけれど、その合計は共感1,247に対し「うーん」1,985ですの。この欄で賛否が逆転している唯一の集団ですわ。ほかのどの話題も、賛成が上回っておりますのよ。

つまりこの欄は、総理の言葉づかいには怒るけれど、方針を変えろと言う声は沈めるのですわ。

そして最多の共感を集めたのは、「アメリカや核保有国に日本人が伝えるべき」でしたの。

お気づきになりまして? 上位の声はすべて、誰か他の人に向いておりますのよ。

総理が言うべきだった。世界が知るべきだ。他国が学ぶべきだ。——自分が何をするかを書いた声は、上位にございませんわ。

これは日本人が不誠実だからではございませんの。そもそも打つ手がないからですわ。

核抑止という言葉を口にできるのは、持っている国だけですのよ。持っていない国にできることは、怯えるか、祈るか、持っている国の傘の下に入るか、それだけですわ。日本は世界で唯一、核兵器を落とされた国ですけれど、落とされた経験は交渉の道具になりませんの。81年かけて、それは分かってしまいましたわ。

ですから、この欄が上位に押し上げたのは「伝えるべき」だったのですわ。伝えることは、持たない国に残された唯一の手段ですもの。そしてその同じ欄が、「まだまだ他国は知らない」と書いておりますのよ。唯一の手段が、81年かけて効いていない、と自分で言っているのですわ。

わたくしはこの記事を、二文字の話だと思っておりませんの。

日本が原爆について、日本人同士ですら1.5対1にしか揃えられない、という話ですわ。テレビの受信料では46対1に揃えた国が、ですのよ。国内で揃わない主張が、国境を越えて効くはずがございませんわ。

外国の方に、これだけはお伝えしておきたいのですけれど——日本のコメント欄は、8月9日に平和を語りながら、その内容では合意しておりませんの。「核兵器はいけない」までは全員が同じですわ。その次の一行から、全員が別々の方向を向いておりますのよ。

そして総理の挨拶は、その全員に向けて書かれておりますから、二文字しか動かせませんの。

わたくしは数えながら、それを見届けますわ。

最後までお読みくださって。コーヒー一杯が、次の一本になりますわ。 ☕ 応援する

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