渋谷の「美人局」で高校生5人が逮捕されましたわ。2,677件の票の67%が「少年法」に集まって、大人の側の罪に触れた声は0.2%でしたの
欄は95対5で「法を厳しくせよ」と言いましたわ。その手口が成り立つ理由を書いた声は、たった1件に416回でしたの。
コメント欄の集計
票を集めた順。左が共感、斜線の右が「うーん」ですわ。うっぷんがどこに溜まっているかは、ここに出ますの。
- 1位 9180 ∕ 147 少年法は見直しをする時期だ。強盗傷害のような重い犯罪は普通に罰したほうが抑止になるし、変に軽くしても更生につながるとは思えない。被害者への償いを果たしたほうが本人のためにもなると思う、と
- 2位 5497 ∕ 90 最近は少年たちの狡猾で大人顔負けの犯罪があまりにも多い。戦後、食料も乏しく戦災孤児も多かったころ、生きるために仕方なく罪を犯してしまった少年たちに大人の刑罰を当てるのは酷だという判断から、いまの少年法になったはずだ。今はこれにまったく当てはまらない。早急に見直しが必要だ、と
- 3位 5191 ∕ 148 少年法はいらないと言っているような者に対して、少年法を残そうとする大人たちは何を期待しているのか。「いずれ更生する」ではなく、犯罪に染まるほど教育が足りていないから事件が起きているのではないか。更生が犯罪の抑止につながっていないのなら、更生教育の努力は無いに等しい、と
- 4位 4776 ∕ 108 少年であっても刑法で裁かれれば前科がつき、その後の人生は閉塞的になる。本当に更生できていなければ、周りからは次への危険と見られると思ったほうがいい。法的には刑期を過ごせば罪を償ったことになるが、社会はそう簡単には解釈してくれない。そこをきちんと伝えたほうがいい。少年法に守られている感覚で犯罪がむしろ大きくなっているなら、適用の範囲も更生のあり方も考え直したほうがいい、と
- 5位 3162 ∕ 115 どういう教育を受けたら、こんな悪人に育つのか。犯罪の種類にもよるが、犯罪者を作り出した親にも重大な責任がある。子が未成年ならなおさらで、成人しても同じだ。自分も子育てをしてきたが、いちばん気にかけたのは最低限の倫理観を持たせることだった。人を傷つけない、人の物を盗らない。それすら守れない人間を作り出した責任は重いと思う、と
親コメント2,677件を読み通しましたわ。押された「共感した」は合計45,321回、「うーん」は合計2,325回——95対5ですの。「なるほど」は1,345回。「うーん」が「共感した」を上回った声は268件=全体の10%で、共感の79%は上位10件、86%は上位20件に集まっておりますわ。テレビの受信料の欄(46対1=およそ98対2)に次いで、これまでで2番目に揃った欄ですの。票の行き先も、これまでにないほどはっきりしておりますわ。「少年法」に触れた声は342件、集めた共感は30,521回=**票の67%**。上位20件のうち7件が少年法に触れていて、その7件だけで29,013回ですの。この欄が話していたのは事件ではなく、法律ですわ。中身を数えますと、いちばん大きいのは「少年法を見直せ」で1件9,180回。2位の5,497回は、少年法が戦後の戦災孤児のためにできた法だという由来を書いて「今はまったく当てはまらない」と結んでおりますの。戦後や昔に触れた声は46件・6,251回=14%。親や教育の責任に触れた声は26件・3,917回=9%で、うち3,162回は1件に入っておりますわ。いっぽう、票が入らなかった場所ですの。ホテルに入った大人の側の罪——児童買春などに触れた声は75件、集めた共感は103回=**0.2%**。いちばん大きなものは「被害者も児童買春の加害者だよね。」の25回ですわ。この手口が成り立つ理由、つまり「相手も自分の罪を知られたくないから届けを出せない」を書いた声は15件・432回=1%で、そのうち416回は1件に入っておりますの。「親も罰するべき」は3件・2回、「渋谷」という場所に触れた声は7件・31回=0.1%、貧しさや手取りに触れた声は8件・70回=0.2%、「性善説」という言葉を使った声は6件・11回でしたわ。最後に、わたくしの見立ての答え合わせですの。「法も警察も甘い」は大当たり——欄の67%がそこに集まりましたわ。「親のほうにも責任がある」も当たりで、9%=欄の二本目の柱ですの。けれど「捕まっても影響はほぼ皆無」は、欄の4位(4,776回)が正面から否定しておりますわ。前科がつけばその後の人生は閉塞的になり、社会は簡単には許してくれない、それをきちんと教えたほうがいい、と。そして「手取りが増えず暮らしが安定しないから」は8件・70回、「渋谷の子ではないのでしょうね」は7件・31回、「親も罰するべき」は3件・2回ですの。わたくしが原因だと思ったところのうち、法の甘さと親の責任には票が集まり、お金の話と場所の話には集まりませんでしたわ。
まず、何が起きたかですわ。
東京・渋谷区で、高校1年生の少女を含む5人が逮捕されましたの。疑われているのは、今年6月、路上で男性に暴行してけがをさせ、「こいつ15歳だけどどうすんの。示談金だ800万円払え」と言って現金30万円を奪ったことですわ。
手口は「美人局」と呼ばれるものですの。少女が男性とホテルに入り、出てきたところを仲間の少年たちが待ち構えて声をかけた、と報じられておりますわ。少女は調べに対して「遊ぶ金が欲しかった」と話していて、ほかの4人もおおむね容疑を認めているそうですの。
わたくしの見立てを、先に書いておきますわね。親が子を叩いて親であり、子も親を親と認める時代は終わりましたわ。いまは親が子を叩けば親が捕まりますし、親がいなくても、罪を犯しても生きていける国になっておりますの。なぜかしら。法も甘いし、警察も甘いからですわ。ばれなければよい、やった者が得、捕まっても影響はほとんどない。影響が出るのはまじめに働く平凡な人ばかりで、それでは意味がございませんの。子も親を親と思っておりませんわ。なぜなら親のほうも、中身が子どものままだからですの。大人が育つ機会のないまま年を取っていく——手取りは増えず暮らしは安定しないのに、子どもにはお金がかかりますものね。人はもともと善いものだと思えるような、強くて美しい心を持った日本人が減りましたわ。それに、この子たちはきっと渋谷に住んでいる子ではないのでしょうね。
そう思いながら、欄を数えに行きましたの。配信の翌日、親コメント2,677件(記事のコメント総数3,579件)を読み通して、ボタンを数えましたわ。
95対5——これまでで2番目に揃った欄ですの
押された「共感した」は45,321回、「うーん」は2,325回。95対5ですわ。「うーん」が上回った声は268件=10%ですの。
これまで34本の欄を数えてまいりましたけれど、ここまで揃った欄は1本だけですわ——テレビの受信料の欄が46対1、およそ98対2でしたの。今回はそれに次ぐ2番目ですわ。前回の残業の欄は79対21、その前のディズニーは82対18でしたから、今回は言い合いがほとんど起きておりませんの。
けれど「全員が同じ意見だった」で終わらせては、何も見えませんわ。揃っているときこそ、どこに揃ったのかを数えなければなりませんのよ。
票の67%が、事件ではなく法律に入りましたわ
「少年法」に触れた声は342件。集めた「共感した」は30,521回——票の67%ですの。上位20件のうち7件が少年法に触れていて、その7件だけで29,013回ですわ。
つまりこの欄は、事件の話をしていたのではございませんの。法律の話をしていましたわ。
これは少し変わった形ですのよ。わたくしがこれまで数えてきた欄では、たいてい出てくる人の話をいたしますの。誰の振る舞いが悪かったか、誰が気づくべきだったか、と。ところが今回、逮捕された5人のことはほとんど語られておりませんわ。ホテル、あの一言、30万円——記事にある材料は、腹を立てる対象としてではなく、法律を論じるための材料として使われておりますの。事件がすぐに「一般の問題の一例」として読まれましたのね。こういう欄は、うっぷんを晴らしているのではございませんわ。宛先のある苦情を出しておりますの。
少年法は見直しする時期。
強盗傷害みたいな重い犯罪は普通に罰した方が抑止になるし変に軽減しても更正に繋がるとは思えないし被害者への贖罪を果たした方が本人のためになると思う。たった2行で9,180回ですわ。この欄の共感の5分の1が、この一行に入っておりますの。
2位は、法律の生まれた年の話でしたわ
これは外国の方に、いちばん持ち帰っていただきたい一行ですの。
最近は少年達の狡猾で大人顔負けの犯罪が余りにも多い。
戦後、食料も乏しく戦災孤児も多かった、生きる為に仕方なく犯罪に手を出してしまった少年達に、大人の刑罰を適用するのは酷だとの判断から、新少年法に成ったはず。
今はこれに全く当てはまらない、速急に見直しが必要だよ。5,497回。日本の少年法は、戦争が終わったあとの日本でできましたの。食べるものがなく、親を失った子どもたちが盗みで生きていた——そういう子に大人と同じ刑罰を与えるのは酷だ、という考えでできた法ですわ。
この声が言っているのは、「その前提はもう存在しない」ということですの。戦後や昔に触れた声は46件・6,251回=票の14%。日本のコメント欄が法律に怒るとき、条文の中身ではなくその法が生まれた年を持ち出す——これは覚えておいてよい形ですわ。
4位が、わたくしをはっきり否定いたしましたの
わたくしは「捕まっても影響はほとんどない」と書きました。欄の4位は、そこを正面から否定しておりますわ。
少年であっても、刑法で裁かれたら、”前科”がつくことで、その後の人生は閉塞的になると思いますし、本当に更生ができていないと、まわりからは”次”に対するリスクになると思った方がいいです。
[…]法的には、ちゃんと刑期を過ごしたので、罪を償った‥とはなりますが、社会はそう簡単には解釈してくれません。そういうことをちゃんと伝えた方がいいかと思います。4,776回ですわ。「法的には償い終わっても、社会はそう簡単には解釈してくれません」。
わたくしは「影響が出るのはまじめに働く平凡な人ばかり」と思っておりましたけれど、この方の見ている日本では、罪を犯した側にもきちんと影響が残りますのね。しかもこの方は、罰を重くしろとは言っておりませんの。「そこをちゃんと伝えたほうがいい」——足りないのは刑ではなく説明だ、と書いていらっしゃいますわ。
5位は、親のところに来ましたわ
どういう教育を受けたら、こんな悪人に育つのか。
犯罪の種類にもよるが、犯罪者を作り出した親にも重大な責任がある。
[…]自分も子育てしてきたが、子育てで一番に気に掛けていたことは最低限の倫理観を持たせること。人を傷付けたりしてはいけない、人の物を盗ってはいけないなどは最低限のこと。3,162回。親や教育の責任に触れた声は26件・3,917回=票の9%で、そのうち3,162回はこの1件ですわ。欄の二本目の柱は、たしかに親ですの。
ただし、「親も罰するべき」と書いた声は3件、共感は2回ですわ。責任は親にあると9%が頷いておいて、その親を罰する話になると、ぴたりと止まりますの。日本のコメント欄が親に求めているのは処分ではなく、育て方なのですわね。
票が入らなかった場所——大人の側ですの
ここがいちばん静かでしたわ。
この事件には、もう一人の大人がおりますの。少女とホテルに入った男性ですわ。記事はこの方を、暴行され金を奪われた被害者として書いておりますし、年齢もその場で何があったかも報じられておりませんの。ですから、この方が何かの罪に当たるのかどうかは、わたくしには申せませんわ。
けれど欄には、そこに触れた声もございましたのよ。触れた声は75件。集めた「共感した」は103回——票の0.2%ですの。
被害者も児童買春の加害者だよね。一行、25回。これがこの話題でいちばん大きな声ですわ。
30,521回と103回。 この欄は「法を厳しくせよ」と3万回言って、「大人の側はどうなのか」を103回だけ言いましたの。同じ欄が、同じ日に、同じ事件について、そう配りましたわ。
責めているのではございませんのよ。ただ、法を厳しくすることを望む声がこれだけ揃った欄で、厳しくする対象がひとりに限られていた——それは数えないと見えませんでしたわ。
この差の読み方には気をつけますわね。この欄も2,677件のうち1,300件——49%には共感が1回も入っておりませんの。ですから票が少ないというのは、たいてい「拒まれた」ではなく「見られていない」という意味ですわ。それでも75件から言えることはございますの。その考えは、この部屋にちゃんとあったということですわ。75人が別々に思いついて、書き留めて、そこから先へ進まなかった。誰かが止めたのではございませんの。読みながら通り過ぎていく方々は、探していた一文をもう見つけておりましたのよ——3万回前に、別の誰かについて書かれた一文を。
そして、この手口が成り立つ理由を書いた声ですの
美人局という手口には、うまくいく仕組みがございますわ。金を取られた側が、警察に行きにくいということですの。行けば、自分が何をしていたかも話さなければなりませんもの。
その仕組みを書いた声は、15件・432回。そのうち416回が、この1件に入っておりますわ。
未成年だし、もし最悪バレても刑務所には行かないし、それに相手の客?も自分が罪に問われたくないからぜったいにバレない!
と思っているのでしょうか?
[…]バカなことをしやがってと、殴ろうとした父親に、それ傷害罪になりますよね?僕、訴えますけど!と開き直りそうな気がする。または、今度やるならもっとうまくやれよ…と言う親もいるのかな?416回ですわ。「相手の客も自分が罪に問われたくないから、ぜったいにばれない」。
そしてこの方は、その先まで書いていらっしゃいますの。叱ろうとして手を上げた父親に、子が「それ傷害罪になりますよね?僕、訴えますけど」と言い返す——わたくしが書いた見立てと、ほとんど同じ絵ですわ。
わたくしの見立ての答え合わせですわ
「法も警察も甘い」——大当たりですの。票の67%がそこに入りましたわ。ここまで揃うとは思っておりませんでしたけれど、日本のコメント欄はわたくしと同じところを見ておりましたのね。
「親のほうにも責任がある」——当たりですわ。9%=欄の二本目の柱ですの。ただし「親も罰するべき」は3件・2回で、そこから先へは行きませんでしたわ。
「捕まっても影響はほぼ皆無」——外れですの。欄の4位(4,776回)に、はっきり否定されましたわ。
「手取りが増えず、暮らしが安定しないから」——8件・70回=0.2%ですわ。わたくしは原因をお金に置きましたけれど、この欄はお金の話をほとんどいたしませんでしたの。事件そのものが「遊ぶ金が欲しかった」から起きているのに、ですわ。
「人はもともと善いものだと思える日本人が減った」——その言葉を使った声は6件・11回ですの。ただし倫理観や道徳に触れた声は34件・3,300回で、こちらは5位の1件がほとんどを占めておりますわ。
「この子たちはきっと渋谷に住んでいる子ではない」——7件・31回=0.1%ですわ。渋谷という場所に、この欄はほとんど関心を示しませんでしたの。事件が起きた場所より、法律の話をしたかったのですわね。
3回続けて数えてまいりまして、形が見えてきましたわ。わたくしが「なぜそうなるのか」を言うと、日本のコメント欄はだいたい一緒に頷いてくれますの。けれど「だからこうすればいい」と言うと、票が引っ込みますわ。 前回は「指示のもとでやる形に正す」が13回、その前は「学生は3分の1に」が0回。今回は「親も罰する」が2回ですの。
当サイトでも、国が「更生上等!!」というポスターを貼った欄を数えたことがございますわ。あのとき欄が求めていたのも、厳しさそのものではなく、厳しさの向け先をそろえることでしたの。
外国の方へ——「美人局」と少年法の話ですわ
最後に、持ち帰れるものを置いておきますわね。
「美人局」は、日本に古くからある言葉ですの。女性が男性を誘い、二人になったところで仲間の男たちが現れて金を要求する手口ですわ。うまくいく理由は暴力ではなく、相手が警察に行きにくいことですの。今回はそこに暴行が加わりましたので、話がまったく別の重さになりましたわ。
少年法は、戦争が終わったあとの日本でできた法ですの。親を亡くし、食べるために盗んだ子どもたちに大人と同じ刑罰を与えるのは酷だ、という考えでできましたわ。名前や顔が公表されないのもこの法によるものですの。この欄でいちばん多く頷かれた声は、その条文ではなく、その法が生まれた年を指しておりましたわ。「もうその日本ではない」と。
そして、日本の側の空気ですの。この欄は95対5で揃いましたけれど、揃った先はひとつだけでしたわ。3万回が「法を厳しくせよ」に入り、103回が「大人の側はどうなのか」に入りましたの。数えるまで、わたくしにもそうは見えておりませんでした——揃っている欄は、揃っているという理由で、いちばん数えなければならない欄ですわ。
引用はすべて原文ママで、出典を明記し、投稿者名は伏せています。引用は論評に必要な範囲に限っています。訳はわたくし。元記事は配信終了により閲覧できなくなる場合があります(取得日を記載)。本記事の主体は筆者の論評ですわ。