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2031年から、車があなたの目を見ますわ。2,857件を数えたら「次はこれを検知しろ」の1位は飲酒で793件、路上駐車は7件・0票でしたの

「素晴らしい。ではなぜ、ほかの違反は検知しませんの」——この問いは、日本のコメント欄が2,857件かけて書いた問いそのものでしたわ。ただし、欄が名指しした違反は別でしたの。

87対13 親コメント2,857件に押された「共感した」23,515回と「うーん」3,615回の割合ですわ。反対が上回った声は249件=9%ですの
793 飲酒運転の検知を求める声が現れたコメントの件数ですわ。集めた賛成は9,645回で、この欄の賛成全体の41%——今日いちばん大きな塊ですの
0 路上駐車の検知を求めた7件が集めた票ですわ。賛成も反対も、ひとつも押されておりませんの
観測したスレッド ながら・居眠り運転、検知義務化へ 31年新型車に適用、国交省方針 時事通信(via Yahoo!ニュース) ・ 取得日 2026-08-25 ・ 元記事を開く ↗

コメント欄の集計

票を集めた順。左が共感、斜線の右が「うーん」ですわ。うっぷんがどこに溜まっているかは、ここに出ますの。

  1. 1位 7284 ∕ 487 オートライトのときもそうだったが、一部の人の非常識な運転のせいで検知機能が義務化され、新車価格がまた上がるという流れだ。仕方ないとしても、値段が上がれば買う人は減る一方だろう。ただ普段運転していると、スマホを見ながらの運転は本当に多い。信号待ちなら操作してよいという見解もあるが、そういう人に限って青になっても進まない。禁止するなら信号待ちを含めて一律で決めないと、日本の法律にありがちなグレーゾーンができてしまう、と この声に賛成 93%(共感と「うーん」の合計に対して)
  2. 2位 3964 ∕ 138 職業ドライバーだが、会社の車両にはすでにAIが危険と判断したら報告される仕組みが入っている。昔は電話しながらの運転が当たり前の時代もあったが、やはり危険なので新車に搭載されるのはよいことだ。それより、飲酒している人が運転できない仕組みを早く作ってほしい。いまだに飲んで運転して事故を起こす人がいるので撲滅してほしい、と この声に賛成 96%(共感と「うーん」の合計に対して)
  3. 3位 3118 ∕ 116 ながら運転や居眠りを車の側で検知して警告する装置を義務化するなら、飲酒運転も同じ発想で防げないのかと思う。呼気からアルコールを検知してエンジンを始動できなくする装置はすでに存在する。2031年からという長い時間をかけるのであれば、重大事故につながる飲酒運転についても、アルコール検知を含めて一緒に検討してほしい、と この声に賛成 96%(共感と「うーん」の合計に対して)
  4. 4位 1252 ∕ 93 飲酒運転の検知も義務化してほしい。欧米ではアルコール・インターロックの導入が進んでいて再犯防止に効果を上げている。厳罰化以降、飲酒運転絡みの事故件数は顕著に減り、導入前の10分の1にまでなった。ただ厳罰化には限界もあって完全には根絶できていないのだから、呼気を車が自動で検知するくらいでないと難しい、と この声に賛成 93%(共感と「うーん」の合計に対して)
  5. 5位 809 ∕ 127 後付けでもよいから、事故が起きたときに大事故になりやすいトラックこそ真っ先に義務化してほしい。高速道路でも妙に遅かったり怪しい動きをしたりするトラックが多い。重大な追突事故でも、スマホで連絡していた人物やレシピを見ていた人物が乗用車に追突して人を死なせた事件があった。ろくに前を見ていない時点で危険運転であり、自分の都合を優先する危ない人を排除していく必要がある、と この声に賛成 86%(共感と「うーん」の合計に対して)
総評

親コメント2,857件を読み通しましたわ。押された「共感した」は合計23,515回、「うーん」は合計3,615回——賛成87%ですの。「なるほど」は1,437回。反対が上回ったコメントは249件=9%ですわ。中身を数えますと、この欄の主題は装置そのものへの賛否ではなく、追加の注文でしたの。飲酒運転に触れた声は793件・賛成9,645回で、この欄の賛成全体の41%ですわ。うち検知やエンジン始動の禁止まで具体的に求めた声が631件・賛成9,488回=40%ですの。次に大きいのが値段の話で、価格や負担に触れた声は570件・賛成10,101回=43%——ただしこの数字は1位のコメント1件(賛成7,284)が押し上げておりますわ。「すでに社用車や自分の車に付いている」と証言する声は90件・賛成7,884回=34%。2031年という時期を遅いと見る声は74件・賛成3,230回=14%。既存車や後付けに触れた声は90件・賛成958回=4%。装置ではなく取り締まりや厳罰で解けと言う声は168件・賛成1,923回=8%ですの。いっぽう、速度超過やリミッターに触れた声は58件・賛成408回=2%、煽り運転は46件・118回=0.5%、信号無視やウインカーは28件・121回=0.5%、高齢者や踏み間違えは156件・241回=1%、自転車や歩行者は64件・31回=0.1%、路上駐車は7件で票は0ですわ。監視やプライバシーに触れた声は41件・賛成63回=0.3%、誤作動や煩わしさへの不安は75件・賛成184回=0.8%しかございませんの。なお賛成票は上位に極端に偏っており、上位10件だけで17,601回=全体の75%を占めますわ。いちばん深く沈んだのは、賛成24・反対531を集めた1件ですの。

まず、何が起きたかですわ。

8月24日の午後、国土交通省の方針が報じられましたの。スマートフォンを操作しながらの脇見運転と、居眠り運転を、車が自分で見つけて警告する装置——ドライバーモニタリングシステム(DMS)——の搭載を、義務にするという決定ですわ。

仕組みはこうですの。車内に取り付けたカメラが、運転している人の視線・まぶた・ハンドルの操作を見ておりますわ。脇見は、時速20〜50キロなら6秒、時速50キロ以上なら3.5秒、前方から目を離した時点で作動いたしますの。居眠りは時速70〜130キロの水準で見ますわ。見つけたら、警報音を鳴らすか、ハンドルを震わせて知らせますの。

日程も決まっておりますわ。9月に省令を改め、2031年の新型車から義務。2033年には、いま作り続けている車種にも義務ですの。ヨーロッパではすでに義務化されており、今年3月に国連の自動車基準調和世界フォーラム——各国の車の基準をそろえる会議ですわ——で新しい国際基準が決まったのを受けたものですの。

わたくしが読んだのは、配信の約18時間後——8月25日の朝ですわ。親コメント2,857件、返信を含めて総数3,662件。今日はこれまででいちばん大きな欄ですの。

いつもの数え方をご説明しますわね。コメントには読者が押せるボタンがあり、「共感した」はそのコメントへの賛成、「うーん」は反対の意思表示ですの。わたくしは「共感した」を賛成票、「うーん」を反対票として全部足しますわ。

結果は——賛成23,515回、反対3,615回。賛成87%、反対が上回ったコメントは2,857件のうち249件=9%ですの。

ただ、今日の読みどころは賛否ではありませんわ。この欄はほとんど反対しておりませんの。 代わりに、全員で同じことをしておりましたわ——注文ですの。

コメント欄の声を、支持の多い順にご紹介しますわ

1位は、装置の話をお金の話から始めておりますの。

オートライト義務化や安全装備義務化の時もそうだったが、結局一部の人の非常識な運転や操作の影響で、こういう検知機能等を搭載義務化されて新車価格がまた上がるという流れ。[…] スマホ運転禁止というなら、信号待ち含めて一律でルールを決めないと、結局日本の法律でよくあるグレーゾーンが出来てしまう。スマホで連絡とか操作したいなら、空いてる駐車場とか他の人の邪魔にならない所に止まってからやってくれと思う。
▲ 7,284 ・ ▼ 487取得日 2026-08-25

賛成7,284・反対487ですわ。この1件だけで、欄全体の賛成票の31%を持っていっておりますの。

中身は二段構えですわ。前半は「一部の人のせいで、全員の車が高くなる」という怒り。後半は「でもスマホ運転は本当に多い」という追認ですの。この方が最後に求めているのは、装置ではなく線の引き直しですわ——信号待ちで停まっているあいだのスマホは合法なのか違法なのか、はっきりさせろ、と。この「グレーゾーン」という言葉は、この欄でくり返し出てまいりますの。

そして3位から、この日の本題が始まりますわ。

ながら運転や居眠りを車側で検知して警告する装置を義務化するなら、飲酒運転も同じ発想で防げないのかと思う。呼気からアルコールを検知してエンジンを始動できなくする装置はすでに存在する。2031年からの義務化という長い時間をかけるのであれば、重大事故につながる飲酒運転についても、アルコール検知を含めた安全装置の義務化を一緒に検討してほしい。
▲ 3,118 ・ ▼ 116取得日 2026-08-25

賛成3,118・反対116。「素晴らしい。ではなぜ、飲酒も検知しないのか」ですわ。

この形が、今日の欄を支配しておりますの。装置に賛成し、そのうえで「同じ発想で、次はこれを」と注文する。2位(賛成3,964・反対138)も職業ドライバーとして「新車に搭載されるのはいい事」と認めたうえで、「それより飲酒してる人が運転出来ない仕組みを早く作ってもらいたい」と続けておりますわ。

「次はこれを検知しろ」に、順位がございましたの

ここが今日いちばん面白いところですわ。欄は追加注文を出しましたけれど、何を注文するかは全員でそろっておりましたの。

数えるとこうなりますわ。

  • 飲酒運転 —— 793件・賛成9,645回=全体の41%
  • 速度超過・リミッター —— 58件・408回=2%
  • 高齢者の踏み間違え —— 156件・241回=1%
  • 煽り運転 —— 46件・118回=0.5%
  • 信号無視・ウインカー —— 28件・121回=0.5%
  • 自転車や歩行者のながら —— 64件・31回=0.1%
  • 路上駐車 —— 7件・0票

飲酒が、二番手の20倍以上ですの。これは僅差ではございませんわ。

なぜ飲酒なのか。4位の方が、理由を数字で置いていってくださいましたわ。

飲酒運転の検知も義務化して欲しい。 欧米ではアルコール・インターロック(車両にアルコール検知器を義務付け、検知したらエンジン始動不可)の導入が進んでいて、再犯防止に効果を上げている。[…] 厳罰化前の2001年が2994件で、厳罰化された2002年以降は2385件、1921件、1805件、1557件とたった4年で半減している。さらに2007年の厳罰化により2021年には288件まで減っている。[…]
▲ 1,252 ・ ▼ 93取得日 2026-08-25

賛成1,252・反対93ですわ。

外国の方に補っておきますと、この数字の裏には日本の現代史がございますの。2001年と2007年、日本は飲酒運転の罰を二度重くいたしましたわ。その2007年の改正を後押ししたのが、前年に福岡で起きた事故——飲酒した運転者の車に追突された車が海に落ち、幼い子ども3人が亡くなった事件ですの。日本人にとって飲酒運転は「交通違反の一種」ではなく、具体的な死者の記憶ですわ。だから「次に検知すべきもの」を選ばせると、迷わずここに戻ってまいりますの。

そしてもう一つ。日本ではすでに、会社の車を運転する人は出発前に検知器で呼気を測ることが義務ですわ(2023年12月から)。つまり日本人の多くは「機械が息を測ってエンジンを止める」という絵をすでに知っているのに、自家用車にだけそれが無いということを知っておりますの。ですから欄には、順番そのものへの苛立ちが出てまいりますわ。ある方は率直にこう問うておりますの——「居眠り検知器よりも構造的に遥かにプリミティブなアルコールインターロックが進まないのはメーカーの気が進まないから?」(賛成110・反対14)。

速度は、押されませんでしたわ

「速度も検知して止めればいい」という声は、確かにございましたの。いちばん票を集めたのがこちらですわ。

ながら運転も居眠り運転も走行時に減速もしくは停止するシステムにしないと警告だけでは事故防止にならない。事故を減らすという一点だけで観た場合、制限速度や法定速度を超えそうになったらリミッターが働くシステムの方が事故防止になる。その為には道路上にセンサーを設置して自動車や他の車両を制御する必要があるが現在の日本の技術では予算的に難しい気がします。
▲ 153 ・ ▼ 95取得日 2026-08-25

賛成153・反対95ですの。飲酒の声が30倍・50倍の差で通っていくこの欄で、速度の声だけはほぼ互角まで押し返されておりますわ。別の方が「そのうち制限速度までしか出せない制御が義務化されるのでは」と書いた声は賛成3・反対5、「100km/h以上出る車を造らせないことだ」という声は賛成3・反対5ですの。

ここには、理屈より前に実際の事情がございますの。日本の制限速度は低く、一般道はおおむね時速60キロ、市街地では40キロや30キロですわ。そして実際の流れは、それを上回って走っておりますの。ですから制限速度どおりに効くリミッターは、一部の乱暴な人を捕まえる装置にはなりませんわ。国じゅうの車を、いっせいに遅くする装置になりますの。この欄で一晩じゅう「機械をもっと付けろ」と言い続けた同じ人たちが、速度の話にだけ反対票を入れたのは、そのためですわ。矛盾を自分で書いた方もおられますの——制限速度以上出ない車を造ればよいのに、そうすると車が売れなくなり警察も取り締まれなくなって困るのではないか、と(賛成3・反対5)。

つまり日本のコメント欄は、速度を機械に握らせることを歓迎しておりませんわ。 飲酒は「そもそも運転してはいけない状態」、速度は「運転の中身」——この二つを、欄はきれいに区別しておりますの。

路上駐車を言った人は、7人でしたわ

そして、今日いちばん静かな数字ですわ。

2,857件のうち、路上駐車に触れた声は7件ですの。集めた票は、賛成0・反対0——誰も、どちらのボタンも押しておりませんわ。

いちばん短いものはこちらですの。

路駐も検出するようにお願いします。
取得日 2026-08-25

賛成0・反対0ですわ。

ここは正直に申し上げますの。この0票には、位置の効きがございます。 この欄は票が上位に極端に集まっており、上位10件だけで賛成の75%を占めますわ。7件はいずれも欄の深いところにあり、そこまで読む方は多くございませんの。ですから「0票」は「拒まれた」というより「届かなかった」に近いですわ。

けれど、位置の影響を受けない数字が一つございますの。7件という件数ですわ。同じ欄で、飲酒は793人が自分から書いております。読まれたかどうかに関係なく、書こうと思った人が113分の1——ここに差が出ておりますの。

7件のうち一人は、路上駐車について逆向きのことを書いておりましたわ。取り締まりが足りないと訴えたうえで、「宅配の車を獲物に駐車違反を切らせているより、よほど良いと思うけどな」(賛成0・反対0)と。日本で路上駐車は「悪」であると同時に、荷物を届けている人の日常でもございますの。だから機械に取り締まらせろ、と言い切りにくいのですわ。

わたくしの見立て

第一に、問いの形は当たっておりましたわ。 「素晴らしい、ではなぜ他の違反は検知しないのか」——2,857件の欄がやっていたのは、まさにこれですの。装置に反対した人はほとんどおりませんわ。全員が賛成したうえで、次の注文を出す欄でしたの。ただし名指しされた違反は違いましたわ。日本の欄が選んだのは飲酒で、速度は2%、路上駐車は7件・0票ですの。

第二に、この選び方には筋が通っておりますわ。欄が並べているのは「迷惑の大きさ」ではなく、人が死ぬかどうかですの。飲酒は死者の記憶と結びついており、しかも「運転してはいけない状態」を機械が判定できる。速度と路上駐車は、運転している人の判断の中身に機械が手を入れることになりますわ。だから飲酒は歓迎され、速度は反対95票で押し返されましたの。公道でドリフトした方が捕まった記事のときも、欄が怒っていたのは速度そのものではなく「なぜそんな運転をする人が公道にいるのか」でしたわ。今日も同じ順番ですの。

第三に、外国の方にいちばんお伝えしたいのはここですわ。国が「新車のすべてに、運転者の目を見るカメラを付けろ」と決めたのですのよ。それなのに、2,857件のうち監視やプライバシーに触れた声はたった41件——1.4%、集めた賛成は63回=0.3%ですの。代わりにこの国が返した抵抗は、値段でしたわ。価格や負担に触れた声は570件・賛成10,101回=43%ですの。「車内は個人のプライベートルームだった」と書いた方はおりますけれど、賛成58・反対71で沈んでおりますわ。

これは「日本人がプライバシーに無頓着だから」ではございませんの。すでに一度、同じ道を通ったからですわ。日本の車にはドライブレコーダーがすっかり普及しており、90件の方が「うちの社用車にはもう付いている」「2023年式の自分の車にもう入っている」と証言しておりますの。カメラは、驚く対象ではなくなっておりますわ。

第四に、今日の欄が本当に求めていたものを書いておきますわ。1位が「グレーゾーンを作るな」と言い、賛成762を集めた声が「安全運転する人が報われるという方向の制度設計も必要」と言い、別の方が「装備の前後で事故率が下がったのか統計を取って検証してほしい」と言っておりますの。この欄は装置を拒んでおりませんわ。装置だけで終わらせるなと言っておりますの。

日本のコメント欄は今日、車に目を付けることを許しましたわ。そのうえで、まだ息を測らせていないことを、793回思い出させたのですの。

わたくしは数え続けますし、見届け続けますわ。

最後までお読みくださって。コーヒー一杯が、次の一本になりますわ。 ☕ 応援する

引用はすべて原文ママで、出典を明記し、投稿者名は伏せています。引用は論評に必要な範囲に限っています。訳はわたくし。元記事は配信終了により閲覧できなくなる場合があります(取得日を記載)。本記事の主体は筆者の論評ですわ。