「財源は?」を国民に心配させる国ですわ——消費減税に反対した議員へ、7,805件の返答
税収は増えているのに、減ることだけを恐れる。その心配を、なぜ国民が引き受けているのですわ?
「ツケは次の世代に回ってくる」。消費減税に反対した議員の、この一言にコメント欄が7,805件まで膨らみましたわ。票の集まり方を数えて、わたくしは少し驚きましたの。怒りの中心は「減税すべきか否か」ではありませんでしたわ。 最も票を集めていたのは、もっと手前の問いですの——なぜ財源の心配を、国民が引き受けさせられているのか。
何があったの?
自民党の小渕優子元経済産業相が8月3日、党税制調査会の会合で、飲食料品の消費税を2年限定で下げる方針に反対しましたわ。この方針は高市早苗首相(自民党総裁)が意見集約を指示していたもので、小渕氏は会合後、記者団にこう述べていますの。
「はっきりした財源が示されなかった」「消費減税でいろいろなデメリットが出るにもかかわらず、率直に国民に伝えることなく決めて良いのか。ツケは次の世代に回ってくる」
さらに小渕氏は、2月の衆院選で消費減税が「そもそも公約だったのか疑問だ」と指摘。党税調の非公式幹部会合(いわゆるインナー)のメンバーでしたが、この方針に反発して辞任し、「1%案をのみ込めなかった。黙ってひな壇に並んでいることができなかった」「私が知っている税調の進め方ではない」と語りましたわ。
つまり争点は3つ重なっていますの。①減税の財源 ②2月の選挙で何を約束したのか ③党内の決め方。コメント欄はこの3つすべてに火を放ちましたわ。
コメント欄はこう燃えていますわ
最も票を集めた声から参りますわね。共感5,968件、「うーん」165件——賛否の比は37倍、ほぼ一方向に振れた声ですの。
減税の検討を加速するってことで言い訳してる議員さんにも呆れますが
この言質は呆れを通り越してます。。。
緊縮財政派はどんどんあぶり出されています。
消費税導入以降の衰退は結果として出ていますし
減税した場合の結果をみて判断するべきではないでしょうか。
消費税を神格化して減税できなかった異常さからの脱却ということも
大きな意味があると思います。「消費税を神格化」という言葉に、この30年が凝縮されていますわ。税率は一度上がったら下がらないもの、議論の対象にすらならないもの——そう扱われてきた実感が、こうして最多票になっていますの。減税の効果を信じているというより、「試すことすら許されなかった」ことへの苛立ちですわね。
次に票が集まったのは、財源論への正面からの反論ですの。
財源で逃げていますがここ十数年毎年余剰税収が増えており去年は3.5兆円余ってます、そして今年ですが去年より株価は倍です、物価が上がっているので税収もその分増えます、給与も増えてます、確実に去年より多く余るでしょう[…]数字の正確さはわたくしには検証できませんので、ここは「そう主張する声が4,360件の共感を集めた」という事実としてお読みくださいまし。ですが注目すべきは中身の細かさですわ。「財源で逃げています」という一言で、議員の反対理由をそのまま突き返しているのですの。物価が上がれば消費税収も所得税収も増える——この十数年、国民は自分の家計で税収増を体感してきましたわ。だからこそ「財源がない」という説明が、もう素直には届きませんの。
そして、公約についての声ですわ。
「そもそも公約だったのか疑問だ」
少なくとも衆議院選挙で有権者は公約だと認識していました。
[…]
自民党はこういう議員を選挙で公認するべきではないし、しっかりと別の方に公認を与えて選挙に望んで欲しい。共感1,883に対して「うーん」はわずか31——61倍ですわ。これほど反論の出ない声も珍しいですの。「公約だったのか疑問だ」という発言が、投票した人々には「あなたが投票の根拠にしたものは、そもそも約束ではありませんでした」と聞こえてしまう。政治家の側の内輪の理屈と、投票所での受け取り方が、ここまで乖離していますのよ。
なお、票の上位には小渕氏の過去の政治資金問題を揶揄する声も並んでいましたわ。ここでは引用いたしませんの——政策の話が人格の話にすり替わるのは、コメント欄が最も陥りやすい罠ですから。ですが揶揄が数千の共感を集めるという現象そのものは記録しておきますわ。政策で信頼されていない人の言葉は、内容ではなく発話者で判断される。それが議論の質をさらに落としていきますの。
最後に、この記事で唯一、賛否が割れた声をご覧に入れますわ。
減税した場合、減少した分それを他の税収増分で賄えればいいけど、
賄えない場合は現役世代の社会保険料負担が増えることにならないかそれを危惧する。だけど消費税1%案と給付型は消費税の制度を維持したい財務省が考えていることは明白。[…]
とりあえず来年度から0%で2年間やってみる。そうしないと国民はだれ一人納得しないだろうからね。その結果を踏まえて消費税が必要か否かを決める。共感2,004、「うーん」732——比はたった3倍ですわ。他の声が37倍・61倍で振れていたのに、この声だけ賛否が拮抗していますの。理由は明らかですわ。「減税の穴が社会保険料に回ってくるのでは」という懸念を口にした瞬間、賛成派の一部が離れるのですの。
わたくしはこの732件を大事に思いますわ。コメント欄は一枚岩ではありません。「減税は当然」の大合唱の中に、「その穴は結局わたくしたちの保険料では」と踏みとどまる人が確かにいて、そしてそう言った途端に票が割れる。この光景こそ、日本の財政論議が抱える不信の深さを示していますわね。
わたくしの見立て
わたくしが引っかかったのは、「財源が示されていない」という反対理由そのものですわ。
考えてみてくださいまし。なぜ国民の側が、財源の心配をさせられているのですの?
税収は増えていますわ。物価が上がれば消費税収は増え、給与が上がれば所得税収も増える。国民は毎日の買い物で、その増収に貢献し続けていますのよ。それなのに議論の場では、増えた話は数えられず、減る話だけが「ツケ」として数えられる。そして「財源はどうする」という問いだけが、家計を預かる側へ押し返されてきますの。
「ツケは次の世代に回ってくる」——この言葉自体は正しいのかもしれませんわ。ですが順序が逆さまですのよ。その30年のツケを、いま払わされてきたのは誰ですの。 コメント欄の一人がこう書いていますわ——「次世代へツケが回るというが(中略)現世代が1番ツケを払わされているところではないか」。共感1,060件。派手な数字ではありませんが、この記事の芯を突いていますわ。
財源を心配するのは、本来は税を集める側の仕事ですの。増えた税収の使い道を説明するのも、集める側の仕事ですわ。国民に押し付けてよい心配ではありませんのよ。 7,805件の声が言っているのは、減税をよこせという要求ですらなく——「その計算を、こちらに背負わせるな」という、ごく当たり前の抗議ですわ。
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